August 31, 2006

ハービーの直筆サイン

眺めたり、手に取ってみるだけで幸せな気分になれるモノってある。私にはそういうモノが割にたくさんあるように思う。

楽器屋で生ギターを眺める、たまに弾かしてもらう。
文房具屋で万年筆を眺める、たまに試し書きをさせてもらう。
時計屋で機械式の腕時計を眺める、たまにはめさせてもらう。
窯元に行って、そこのおやじと話をしながら焼き物を手に取って眺める。
家具屋に行って、いろんな椅子に腰掛けてみる。等々。

他にも、絵とか、モノではないけれども鳥とか草花とか。眺めているだけで楽しかったり、なんとなく笑顔になれる。

モノの価値ってのは、結局のところ相対的なもので、基本は物々交換だな。
ゾロ目の一万円札に、私は一万円の価値しか見出せないけれども、一万円以上払ってでも手に入れたい人が世の中にはいる。ハービー・ハンコックの直筆サインは、私にとっては宝物だが、「ハービーはん?誰それ?」という人にとっては、ただの外人の落書に過ぎないだろう。

左様に、価値とは、ある人が「これいいなあっ」と思えるということだ。それは別に脇から口を挟む必要はないはずのものなのだが、困るのは、自分が「気持ち悪い」と思うものを「気持ちいい」と思っている人と出くわしてしまった時だ。音楽についてたまにそういう場面に出くわすが、この手の感性の違いは、ケンカにはなってもまず議論にはならない。



August 30, 2006

支持率

7月の新車販売シェアで、トヨタが46%だったそうだ。この月に限らず、大体トヨタは4割を超えている。

現場が辺鄙なところという理由で、ここ3年ほどクルマ通勤をしている。メーカーを意識して大阪市内方面に向かう対向車をちらちら眺めていると、トヨタ、ホンダ、ニッサン、マツダ、軽、外車が割と満遍なく走っている。少なくとも「トヨタ車が4割を占めている」なんてことはないな。

どうでもいい話かもしれないが、「マツダ」は「マ」にアクセントがある言い方が普通(by 広島県人強調)。
アクセントと言えば、最近違和感を覚えたのが、東京発のニュースで「ヒ」にアクセントを置かれた「姫路」。「ヒメジ」と平板に読まんか?地名は読み自体が難しいものもあるが、アクセントもまた難しい。

ちと脱線した。

どこかにメーカー別の実走距離シェアてな統計はないかなあ。46%のトヨタとは言え、クルマ好きに選ばれるブランドを目指して始めたレクサス屋は苦戦していると聞く。もしも、ほとんど運転しないけれども、とりあえずクルマは持っておきたいような人たちに最も好まれて選ばれるのがトヨタ車なのだとしたら、トヨタでクルマを作っている人間は、たくさん売れたからといって嬉しいかなあ。

終わりかけのコイズミ内閣の支持率はまだ50%近くあるらしい。ま、トヨタの46%を考えると、なんとなく合点がいく数値ではある。コイズミさんはこの「高支持率」が嬉しいのかなあ。

きっと嬉しいんだろうな、あの人は。

August 29, 2006

四條畷市長選

四條畷に住んでちょうど2年になる。昨日は四條畷市長選の投票日だった。投票率は42%余りで、結果は次のとおり。
7870 田中夏木(現職・自公)
7281 長畑浩則(新人・民主系)
3414 重田初江(新人・共産)
四條畷市の人口は、今年の7月現在で57,407人。大阪府で一番人口の少ない市だ。それにしても、8000票足らずで市長になれるんだね。
四條畷市は、ずっと市長をやっていたおっさんが財政をスッカラカンのズタボロにしてしまったらしく、先頃破綻した夕張市の話題が他人事ではないとは、移り住んでから聞いた話。そんな破産寸前の状態で、政治が描き出す未来図は二つに一つ。

1.切り詰めて健全財政に戻るまで我慢する
2.税収を増やして赤字を埋める

「1.」は解りやすい。言うまでもなく、共産党候補の主張はもっぱらこの路線だ。「市長の退職金を0にします!」といった類。それはそれで結構なんだけど、暗いんだな、実に。暗い主張には人は集まらん。
共産党は全国的にジリ貧だけれども、すぐにできて、党勢を上向かせる方法はあるぞ。それはズバリ「首長選に独自候補を出さないこと」。騙されたと思って2〜3年やってみてくれんかな。

次に、「2.」は、「増税します」とは言いにくいから、「イオンを誘致します」みたいなお祭り公約になる。これは現職のお題目だったみたい。
「この不自由な道路事情の上にイオンなんか持ってきてどうすんの?」とか、「まさか、税金でイオンの赤字を補填するような約束なんかせーへんよな?」等々、イオン誘致の後に控える現実的な疑問には触れない。
イオンはええから、シャッター街化しつつある忍ヶ丘商店街をなんとかしようや。

ちなみに、民主系の候補者は「45歳の若さ」しかメッセージは伝わってこなかったな。政治は結局バランスなんだから、1.と2.を上手に絡めて主張すれば「お、案外ちゃんと考えとる(のかも)」と思ってもらえたのに。「若さ」だけじゃあね。俺が出たらも少し若いっての。

ただ、次点の民主系も最下位の共産も、意外に健闘していたのは予想外。裏を返せば、現職弱かったんだねー。
大阪一小規模で、危機的な状況の市に再選したカリスマ性のない市長。ああ、いかにもダメそう。


August 23, 2006

甲子園

夏の甲子園が終わった。
今年は「88回大会」だったそうだ。ゾロ目だ。僕の夏は「66回大会」のゾロ目だった。22年か。ん?22年?。。。そんなになるか。
ちなみに、うちの兄貴の夏は「55回大会」。江川と同世代になる。
次のゾロ目大会は「99回」か。百引く一の白寿だ。なんかすごいな。念のために言っておくと、僕も兄貴も最高は県大会ベスト8。甲子園は遠かった。

高校野球はトーナメントだから、組合せの関係で2回戦から始まるチームもあるけれども、原理的に半分の学校は地方大会の一回戦で負けている。一回戦で負けた中には、参加することに意義があるチームもあるだろうが、大半は「まさか一回戦で負けるつもりなどさらさらない、あわよくば甲子園へ」と思っていた高校球児たちだろう。僕もその口だ。

今はプログラムを書く仕事をしているが、野球のおかげで2進数には親しみがある。2、4、8、16、、、
2から順に決勝、準決勝、準々決勝、ベスト16、、、
半分ずつ減っていくから、野球の大会は2進数なんだな。草野球の大会には「参加チーム数は256」と限定しているのもある。256は2の8乗。つまり「8回勝てば優勝」ってことだ。

一回戦で負けた後、僕はとにかく空虚だった。高三の夏休みなんて、何をして過ごしていたんだろう。ほとんど記憶が無い。今振り返ると、最後の夏が終わった後、結局1年半ほどはボーっとしていた気がする。

今、巷には、人生の大目標を失って、表面的に、はしゃいではいても、実はボーっとしている元高校球児がうようよいるはずだ。夏はそれでいいんだと思う。


August 21, 2006

サーカス

念願のボリショイサーカスを観た。あっという間の楽しい2時間だった。
僕はサーカスが好きで、住んでいる町にサーカスがやって来ると、年休を取って一人で観に行っていた。よく観たのは木下大サーカス。随分前にはキグレも行ったし、この春には初めてポップサーカスというのを観た。

それで、今回のボリショイ。ずっと「一度は行きたいなあ」と思い続けていた。かなりホンモノ感が違う。観ている気持ちが全然萎えない。身体を張った素晴らしい芸が続く。飽きない。

危険とスレスレのリアルなスリリングさに興奮した。
本物のプロフェッショナリズムを目の当たりにすることは刺激的だ。