December 31, 2008

どんでん返し

僕がストレートで就職していれば、いわゆる「バブル入社」となっていたのだが、身から出た錆で浪人に留年を重ね、よっこらせと就職活動をしたのはバブルが弾けた後。とはいえ、貧乏学生に「バブル」の恩恵など本より無く、ましてや「バブル崩壊」の実感などは更に無い。こう見えても国立大学の工学部だったので、年を重ねたことに因る多少のハンディはあったにせよ、なんとかなるやろと高を括っていた。

ところが世間は甘くなく、それはそれはなんともならんかった。11連敗した頃は、さすがにヤバいかもわからんという気になった。季節は夏。たまたま8月に就職セミナーを開催する会社があり、「もう最後かも」と思って受けたのがシステム開発の会社で、以後、それが手に職となった。

今の状況は、もっとヒドいらしい。僕も、ご多分に漏れず、時代の波を食らっている。詳しくは書けないが。

向かい風に負けそうになる時、いつも思い出す言葉がある。学生時代に敬愛していた先輩が口癖にしていた。「この世には『大どんでん返しの法則』というのがある」。トランプの大富豪(僕らは「ど貧民」と言っていたが)で革命が起き、「3」が最強のカードに「2」が最低のカードになるようなものだ。「法則」というからには、まがりなりにも因果関係が欲しいところだが、たしかそれは「大どんでん返しが必ずあると信じて、今を生き切ること」。

生活が一変したこともあり、特に今年の後半は、思いの外、投稿する余裕が持てなかったが、2009年は気を取り直してコツコツと書き続けてみようと思っている。
ではよいお年を。



August 05, 2008

手乗りアゲハ

コクワガタのクーが我が家にひょっこりやってきたのは昨年の7月の終わり。その約1年後に、また珍客が来訪した。

アゲハ1アゲハ2

朝、花や野菜に水を遣ろうとベランダに出る扉を開けると、サンダルの上にキレイなアゲハチョウが一匹。生きてはいるようだが飛ぶでもなく、少し震えている。羽化して間もない子供(?)アゲハだろうか。指を出すと、トボトボと乗ってきた。カワイイ。

アゲハがいた南側の狭いベランダには、バラやナスの花が咲いている。とりあえず、バラの木に止まらせて仕事に出かけた。仕事から帰ると、うろうろしながらまだいる。眺めていると目が合う。やっぱりカワイイ。でも大人になれるのかちょっと心配だ。

ちなみに、クーは1年経った今も、我が家の虫かごの中でのほほんと生きている。

July 29, 2008

心の川

誰でも、「川」と聞いてすぐに思い浮かぶ川を持っていると思う。僕のそれは、金沢を流れる浅野川だ。たまに金沢に遊びに行き、浅野川の流れを眺めていると、この川の近くで過ごした10代の頃の甘酸っぱい思い出が今でもこみ上げてくる。

思い出の中の浅野川は、とても静かな川だ。その川が氾濫したなんて、にわかには信じ難い。映像を見ると、ちょうど僕の通っていた中学校の校区(実は、金沢では「校下」っていうのだけれども)じゃないか。濁流に洗われていた(?)のは、梅の橋、たしか小学生の頃に架けられた歩行専用の木造の橋だ。地味だけど、この橋の上から上流の景色を眺めるのが好きだった。ちなみに、下流に向かってすぐには浅野川大橋という立派な鉄の橋が架かっている(から眺めはそれほど楽しくない)。

梅の橋付近の右岸は観光地として有名な東山の茶屋街、そして、左岸が橋場町だ。橋場には、川沿いに同級生の家が何軒かあったはずだ。大丈夫だったろうか。

と、金沢の心配をしていると、こちらの天候も怪しくなってきた。お昼過ぎから、5〜6時間もの間だったろうか、ずっと稲妻が走り、雷が鳴り止まなかった。幸い、僕の生活圏での雨量は大したことはなかったが、もしかしたら局所的に集中して降ったところがあったかもしれない。

July 21, 2008

篠山日帰りドライブ

日帰りで篠山までドライブしてきた。国道173号線を延々北上し、372号線に入って東から篠山城跡を目指すルート。川西の一庫(ひとくら)ダムを過ぎてからは幸い渋滞もなく、四條畷の自宅から2時間で到着。電車を乗り継ぐと最寄の忍ヶ丘から篠山口までは2時間弱だから、お城までのドアツードアではクルマの方が速い計算だ。

本当は電車で行くつもりだったのだが、朝からのあまりの暑さに降参し、クルマに変更。篠山は多少マシかと思ったが、陽射しのキツさも散策しながらかいた汗の量も、ヒートアイランド大阪並み。さすが盆地だ。ほんとに、暑かった。

城内の駐車場に車を止めて、まずは腹ごしらえ。計画なしで来たので、城下を散策しながらたまたま目に止まった「近又」さんに入る。私は「そば三昧(\1,600)」、連れ合いは「牛とろ定食(\2,000)」。いつものことだが、それぞれ違うものを頼んで、かえっこしながらいろいろ食べるのだ。

まず、そば。あらビックリ(失礼)。おいしいわ。それほど期待値は高くなかったので、喜び倍増。そば3皿に、にぎりが三つ付いているのだが、もう少し、そば食いたい。\2,000で+2皿だともっと嬉しかったと思う。牛とろは、篠山牛(たぶん)に「山の芋」のすりおろしがかかっている丼。「山の芋」は篠山特産のゴツゴツした大きな握り拳みたいな山芋だ。これがまた旨い。最近良くたべている長いもよりも粘り気があり、でも、不思議とサラサラしていて、飯と一緒にズルズルといくらでも食べてしまえそうだ。

というわけで、今回の篠山での昼飯は大成功。山の芋を買って帰路についた。ちょっとした遠出だけど、篠山は、飯は旨いし、横長ののんびりした風景は田舎者の僕を癒してくれる。下道で無理なく行ける距離だから、また行こうっと。

April 30, 2008

あらためて、太陽の塔

20世紀少年の実写版が今年の夏、公開予定のようだ。この「劇画・20世紀少年」に欠かせない舞台はExpo'70、1970年に開催された大阪万博。実は、当時3歳の私も、大阪にばあちゃんの妹が住んでいたこともあって、わざわざ金沢から万博に来ているのだな。もっとも、帰りの大阪駅で「大阪の子になるぅ!」と泣いていたこと以外はほとんど憶えていないのだが。

38年後(!)、しっかり「大阪の子」になってしまっていることはいいとして、その万博会場がそのまま公園になった、その名も「万博公園」を知らない人は少なくとも大阪には居ないだろう。

その万博公園に出向いた。元々の目的はロハスフェスタだったのだが、落ち着ける居場所がほとんど無く、そこからはとっとと退散し、周辺を散歩することにした。おー、あらためて歩くと、広くて、花もキレイでたくさん咲いている。散歩空間としてとても気分がいい。

そして、万博公園随一の存在感といえば、これを置いて他にはないだろう。そう、「太陽の塔」。
正面

正面からの画はとても有名だが、真横や後ろをよく知らない人は居るかもしれない。

近影(著者近影;^^)背面

今回、猫背の横顔を拝見してあらためて思ったのだが、どうしてこの曲線なんだろう。やはり、理屈では語れない、岡本太郎先生にしかわからない感覚なんだろうか。僕は、僕には見えずに芸術家の人たちには見えている世界を見たくって仕方がない。