July 12, 2007

商売はキモ+α

関西では名の知れた某グルメ雑誌に、あるラーメン屋が紹介されていた。云く「ランチタイムや週末には待ちも出る人気ぶり」。

うそぉ。

そこには5、6年前だったか、一度だけ行ったことがある。そして、連れ合いと「二度と来ることはないだろう」と評価が一致した店だ。どんなマズさだったか、正確には憶えていないけれども、スープ、麺、具、全体、どれをとっても、とにかく薄っぺらだった印象と、店内に「スープがなくなり次第終了します」みたいなことが書いてあって、「口上だけは本格的やなぁ、トホホ」と思った記憶だけが残っている。

もしかしたら、この数年の間に、劇的に旨くなった可能性はあるが、そこはラーメン屋だ。定番になっている店や、また行ってもいいなと思っている店、さらには、いつか行きたいと思っている店がわんさかある中で、わざわざ、一度良くない印象を持ったところに再挑戦する義理もなければヒマもない。

他人事として考える分にはそれで済むのだが、ふと自分に当てはめると、ゾッとする。お客さんに一度悪い印象を与えてしまったが最後、その評価を引っくり返すのは容易ではない。キモの部分で取替えの利かない何かを持っていないと、一度の失敗で仕事を失ってしまいかねない。

うちの定番になっているラーメン屋の中には、態度が最悪で、行くと必ず嫌な思いをさせられる運びのおばはんのいる店がある。でも、そこのオヤジが奥の厨房で作っているラーメンが旨くて、つい、また行きたくなってしまう。ラーメンのキモは言うまでもない、「旨いこと」だ。キモは大事だ。

たとえ人柄のいいおばさんが運んでくれても、マズければ二度と行かないだろうし、旨いラーメンを人柄のいいおばさんが運んでくれていたら、もっと足を運んでいると思う。やるからには、人柄のいいおばさんが旨いラーメンを運ぶような商売をしなければいけないよなあ。

ラーメン屋の紹介記事を見て、我が身をちょっと反省することになった次第です。


Posted by azure at 02:37:49 | from category: ソフト屋稼業 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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