September 29, 2006

安倍さんの中身

隔靴掻痒(かっかそうよう)。小泉さんが終わり、「ふぅ、そろそろ説明に飢えてきたところだ」とホッとしたのもつかの間、どうも次のお方は、言葉は出れど上滑りな予感がする。とはいえ、ニッポンの総理大臣だ。皮肉ではなく明日の所信表明演説は楽しみにしている。
「美しい国」「国益」「保守主義」。こういう言葉を使わずに、概念を、考えていることを説明しろ。学生時代はこんな議論ばかりしていた。何か意味ありげに聞こえる便利な言葉を封印してみると、中身の空っぽさがバレてしまう。晴れてバレて、そしてそこからまた始めればいい。お、これこそ「再チャレンジ」じゃないか。

数年前に、ある超エリートの先輩と「保守主義」について少しだけだが議論した。「おまえはわかってない」という烙印を捺されて終わったけれど、議論のほんとうの目的は、どちらが勝つかではなく、それまで見えていなかったことが見えればいいのだ。と負け惜しみ。ただ、その先輩の言っていたことは「アメリカの保守主義」に過ぎず、「僕らにとっての『保守主義』ではないでしょ?」と今でも思っていることはたしか。ほら、同じ黄色でも、背景が赤いと共産っぽくてちょっと身構えるが(変か?)、緑のバックに黄色だと菜の花みたいで笑顔になれる。黄色の譬えが適切かどうかはおいといて、「保守主義」てのに世界共通定義なんて無理な話で、それは置かれる環境によって意味合いが変わるものだと思うのだけど。

ともあれ、首相の品定めをするのは国民の義務だ。「あなたは『美しい国』に賛成ですか?反対ですか?」なんてトホホな問いかけは、もうやめましょうよ。安倍さんへの期待は、いかに異議を恐れずに、踏み込んで、噛み砕いて言葉を翻訳してくれるか。9/29は、案外大切な日になると思う。

Posted by azure at 03:17:43 | from category: 社会 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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