July 24, 2007

恥ずかしいのはあなた

毎日新聞の夕刊で、「関西経済界の女性論客の一人」というおばさんが意見を述べている。云く、今回の参院選は「憲法や安全保障、教育など大きな問題」の判断になっていないと、そして「感情選挙」になっていると。さらには、同じ口で「日本の政治は小泉政治で変わった」、「政治が何を課題にして、どう議論しているのかがよく見える」、「安倍さんは教育基本法改正、防衛省、公務員制度改革など歴代内閣ができなかったことをこれだけの短期間でやってのけた」のだとか。

はぁ。。。そうなんですか。

「郵政民営化」一本で、問題を単純化したムード選挙をやったのがコイズミさん。短期間で次から次へと改めることができたのは、その感情的な郵政民営化選挙で獲得した圧倒的多数を使ったからでしょ。そして、そのやり方に対しては、「批判も出るでしょう」って、そんだけ?それこそが問題の焦点なんだよ。「ちゃんと説明してよ」「してるじゃないか」で5、6年経ってしまったんだよ。「大きな問題」を選挙の争点にしたければそうすればいいやないの。それを「実績」にしようと焦って、選挙前に多数決でホイホイ決めてしまうから、争点にならないんだよ。泡沫の社民党の方が、よっぽど「大きな問題」を前面に出して、鉄の壁に爪を立てるように闘ってるやん。ハタから見ていて痛々しいほどに。

ほいでもって、最後に「この情緒的な空気は(中略)恥ずかしい」ときた。「美しい日本」なんて言って、思い切り「情緒」に訴えたのはどこの誰だったか。あら恥ずかしい。

もしかすると、このおばさん、民主主義など面倒くさいと思っている、ものすごい短気な人なのかもしれんな。まぁ、それは余計なお世話だとして、空気に恥ずかしい思いをする前に、ご自分の、その支離滅裂な説得力のなさをまず恥じたらどうだろう。

Posted by azure at 23:45:46 | from category: 社会 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
Comments

のむのむ:

他のことはわからないが、教育現場のことは心配しています。
教育三法、あんまり考えずに採決していませんか?賛成の諸君に、どのように現場に影響を出さずに、免許更新の講習を誰がするのか、それに伴う教員の補充はあるのか、その様な講習にどの程度の意味があるのかを教えてもらいたい。安心できなくても、納得できなくても、意見が違っても良いから、考えて賛成したことを示して欲しい。とりあえず、それで十分。

先生が(教材研究、学級運営以外で)忙しくなると、必ず子どもにしわ寄せが来ると思っています。ちょっと無駄かな、と思えるくらいの余裕がない先生に、自分の家庭をきちんとしつつ、学級の子どもの成長を待つことなどできやしないと思っているのですが。先生も人間ですからね。

例えば、学校から外に仕事を一部移すことも考えられると思うけれど、それでは教育が成り立たなかったり(関係ないようなことも子どもを多面的にみるためには必要かもしれない)、経済的、文化的格差がもろに子供たちを直撃すると思うので、まあちょっと待って、って思いますし。

それにしても、やってみなくちゃわからないこともあるけれど、やらずにわかることは別案が出るのを待っても良かったんじゃない?
何のための更新制だろう。じゃあ、医師免許は?看護師免許は?だって、命かかっているよ?
非現実的、という感じは、年金の問題くらいに明らかだと思うのですが。とりあえず、形だけでもすると思うから、余計悪いかなぁ〜。
(July 25, 2007 21:38:59)

azure:

おっしゃること全面的に賛成。自己目的化した実績(「実績を作ることを目的とした実績」)は、えてして責任者の責任逃れや時間稼ぎにしか使われず、実際に運用させられる末端は、実効力のない無駄な作業に時間を割かれて疲弊するだけ、というシーンは、私らソフトウェア開発の現場でもよく見られます。

ろくな議論をせずに、党議拘束に従って賛否を表明するだけならば、「議員」など不要で、各党、獲得票の重みを持った代表者が一人ずついればそれで十分。わざわざ選挙で議員を選ばずに、裁判員制度や徴兵制のように、「徴議員制」にした方が、よほどマシなように思えるよ。
(July 26, 2007 01:29:17)

のむのむ:

文科省による教員免許更新制の説明会が免許を出す大学関係者を対象にして始まっています。(他もすでに始まっていると思いますが)
その説明会の中から、現場の声を拾い上げて、制度の運用面の融通によって何とか先生方の苦労を最小限に抑えて欲しいと思う今日この頃です。
(August 13, 2007 09:05:54)

azure:

前いた会社には目標管理制度があって、旗振りをしている人事部自身が「率先垂範」してた。それで、毎年「改善目標」を立てるんだけど、変えにくいけど変えないといけないことは放置して、変えなくてもいいのに変えやすいことばかり「改善」するから、「お前らの自己満足で振り回さんといてくれ」と思っていました。具体的には忘れちゃったけどね。
改善とか改革が自己目的化して、他人にアッピールするためだけの制度になると、適用される側には不幸でしかないですね。とりあえず新しい制度を作って「教育改革を推進しています」だの「実現力」だのと自慢されるのにはもううんざりしているので、その後の「実効性」をきちんと検証して、政治も行政も市民も、よりマシな仕組みを構築するために学習していかないといけないね。そのための情報整理を学者に期待したいのだけど。
(August 19, 2007 23:54:13)
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