May 23, 2007

脳死なあ...

和歌山県立医科大付属病院で人工呼吸器を外した医者が、殺人容疑で書類送検されたとか。類似のニュースはこれまでにもあったし、その都度、「ほな、臓器移植は合法的な殺人か?」と混乱した人もいるのではないか。私は混乱している。

学生時代には、毎年大きなテーマを決めては集中して調べ、考えていた。ある年のテーマが「脳死」だった。立花隆がそのままズバリ「脳死」という本を書いて間もない頃だ。もうかれこれ20年近く前になるが、混乱している状況は、今もあまり変わっていない。混乱の元凶は、「脳死」が「臓器移植」の必要条件であり、その「臓器移植」が「死の定義」とは不可分で、それ故に、法律や政治に、おそらくは「臓器移植を可能にする」方向付けをされた状態で預けられていることにあるように思う。

医療現場からの声として、一件でも「脳死者が臓器摘出の際に暴れた」なんてケースが報告されているならば、「脳死=死⇒臓器摘出可能」との判断が時期尚早であることは自明だと思うし、その方が、よほど「殺人容疑」なのではないのかなあ。なんか、さりげなく恐い話を書いている気がしてきた。