November 30, 2006

親の背中

11/30は母親の78歳の誕生日だ。父親は僕が赤ん坊の時に病気で死んだから、僕は父親の記憶を何も持っていない。「子供は親の背中を見て育つ」と言うが、僕にとっての親の背中は、ただひたすらに母親のそれだ。母親については、甘えた記憶やキツく叱られた記憶、人生の分岐点で悩んでいた時に方向性を示してくれた記憶など、思い出せることがいくつもある。
時代が時代だけに、福井のど田舎の出だった母親の最終学歴は尋常小学校卒だ。それでも、父親と母親の二つの役割をこなして育ててくれた知恵は大したものだったのだなあと、今、あらためて思う。
自分の立ち位置を決める場合に、いつも、今居る場のバランスを取るような位置、つまりは少数派に身を置こうとするのは、一人二役の親の背中を見続けて生きてきたからなのかもしれない。
人に歴史あり。人は生まれてからこの方、いろんな人と出会い、いろんな思いを積み重ねて今に至っている。僕は、これからも、いろんな人と出会うだろう。「この人にも、この人なりに積み重ねてきた歴史がある」ということを決して忘れないで、その人と接していきたい。