October 11, 2006

ウィンドミルで初登板

いやあ本当によく寝た。日曜日、夜の7時にちょっと横になって、目が覚めたら月曜の朝9時だった。14時間!かつて、徹夜明けでもこんなに寝た憶えはないなあ。
その日曜日にはソフトボールの大会があった。朝の6時に起きて仕度しなければならず、前の晩、早めに寝床についたのだが、階下の住民の談笑している声が夜中の二時まで響いて寝付けない。それほどの大声でもなかったのだが(隣にいた連れ合いはスヤスヤ寝てたし)、ああいう声って、一度耳に付き始めると離れなくてキツいのだなあ。まあ、三連休の初日だったし、集合住宅の宿命だ。「お互い様」であきらめる。

そんな寝不足で臨んだ大会。我がチームの大エースが海外勤務のため再来年まで帰ってこず、二番手投手が登板。序盤で0対6とリードされたところで、監督がスッと立ち上がり、投手交代。え?俺?ほんま?ぃやっほー。ついに巡ってきた初登板。野球では経験があるけど、ソフトボールのピッチャーは初体験だ。
野球とソフトはとても似ている競技だが、全然違うことが一つある。それがピッチャー。ウィンドミル投法といって、腕を風車のように回して投げる。これは何年野球をやっていても身に付かない技術だ。だって、野球では必要ないもの。
それでも、そこは野球小僧の意地と興味。「ウィンドミルをマスターしたい」一心で、大エースが海外へ旅立ってからこの一年、コツコツと、独り、試行錯誤しながら壁に向かって投げてきたのだ。そして果たした初登板。練習試合でも投げたことがなく、いきなり公式戦でのデビューだ(なにはともあれ、監督さんありがとう)。
結果は、案外打ち損じてくれて、そこそこ無難に抑えてしまった。あらま、どうしましょう。自信ついちゃったよ。試合はそのまま負けちゃったけど。
スピード眼(ガン)で90キロ前後のストレートに、カーブ、チェンジアップとのコンビネーションでの勝負。実はシュートとドロップも隠し持っているのだが、使わなかった(ということにしておこう)。球速はプラス10キロは欲しいところだけれども、それは今後の課題として、今、手持ちのボールでできるだけの勝負するのも楽しさの一つだ。

野球歴35年で、ピッチャー、キャッチャー、内外野と、全ポジションを経験したけど、自分に一番合っていて楽しいのは、なんと言っても「キャッチャー」。但し、好投手の女房役に限るね。自分が投げた方が勝てると思いながらやるキャッチャーほどツラいポジションはない。そういう場面でピッチャーをやらない理由は、「自分がピッチャーをやったら、それを受けるキャッチャーがいない」からだ。

茶利氏のコメントに乗って言うと、僕は、誰もピッチャーをやりたがらない状況では、「俺やるわ」と引き受けるが、「ピッチャーやりたーい」と名乗り出る奴がいれば、喜んでキャッチャーをやるタイプだ。そいつの持っている「いいボール」を引き出すべく、あれこれと頭をフルに使ってリードする(キャッチャーの仕事は球種の指示だけではないのだぞ)。そして、狙い通りに打ち取った時の快感たるや。野球の楽しさは、キャッチャーをやらんとわからんな。但し、何度でも言うが「好投手の女房役」に限る。
でもって、もし、自分がピッチャーをやるなら、好捕手に受けてもらいたい。野球てのは、一人では勝てない、持ちつ持たれつの競技なのだなあ。などと考えながら昏々と眠り続けた14時間なのだった。